日本でも、新しい土地に行くと慣れるまで時間がかかりますよね。
親しい友達と離れて、新しい環境で最初から気の合う友達が見つかるのは稀かもしれません。
海外という新しい環境でも同じことが言えますが、さらに壁となりかねないのが文化や言葉の違い。
例えば、
- 対面ではジェスチャーを交えてなんとか理解できても、電話だと何を言っているのかさっぱり理解できない
- わからない単語に気を取られてしまって、そこから先に話が深められない
- 知らない言葉が会話のキーワードになっていて、状況が把握できない
- 誰か助けてくれる人に通訳してもらい、自分から会話をしなくなる
新しい土地で友達を見つけて理想的な海外生活を送るためには、まずはこの「言葉の壁」を乗り越えなければなりません。
今回は私がカナダで学んだ言葉の壁を乗り越えるための6つのヒントをシェアします。
あなたの英語を評価したりしない、勇気を出そう
話しかけていいかな?
わたしのアクセントで伝わるかな?
なんて考えているだけ時間がもったいないです。
考えて悩む前に、まずは第一声を口から出してしまいましょう。
一般的に、日本人は島国ということもあり外国人に慣れた人は少なく、また相手の都合も考えたり、他人から見える自分を気にしたりする人が多いと言われています。
協調性がある国民性はいいことですが、それで発言が控えめになってしまうことは機会喪失にも繋がります。
カナダで最初に暮らしたシェアハウスメイトのスペイン人は、英語なのかスペイン語なのか、もはや何語を話しているのかわからないアクセントが強いスパングリッシュでした。
お国柄もそうですが、彼自身の性格もとてもオープンで。
マシンガンのように休むことなく話す話す・・・。
会話を始めようものなら、仕事の文句から今日の出来事、他人の噂話といろんな引き出しを怒涛のように浴びせてくれました。
いろんな国からのシェアメイトがいる家で数ヶ月を過ごした頃、彼自身発音がしづらい箇所やアクセントの違いを理解して、話すときにもその単語は意識するようになったと言います。
発言するボリュームが違うので、同じ家のネイティブから学ぶことも倍以上。
彼の絶え間ない努力のおかげで家は賑やかにもなるし、彼の英語も必然的に伸びていました。
わたしがいた環境は英語を第二言語とする人も多かったこともありますが、英語が喋れないから見下したり、逆に話せるからって評価したりする人は誰もいませんでした。
逆にわたしは少し話せる方だと思っていたので余裕をかましていた部分もありました。
ただ、蓋を開けてみると単純な単語すら知らない、ちょっと発音がいいだけの教科書英語の塊女子でした。
そんな箱入り娘はスペイン人を中心とする多国籍の荒波に揉まれて、言葉は自分の気持ちを伝えるツールでしかないことに気がつくのです。
いいんだよ!間違っても。
いいんだよ!通じなくても。
誰もあなたの英語を評価しないよ!
彼らを見ていて、本当にそう思いました。
まずは発言して自分に意思があるというところから始めましょう。
相手のことを理解したいという気持ちも出てくるし、それによりコミュニケーションも深まります。
ほんと、話した者勝ちですね。
分からなくても臆せずに、勉強中だから
例えば、話しかけた外国人に日本語が喋れません、英語も喋れません、と言われたら、あなたは別の言語やジェスチャーででも伝えようとしますか?
フランス語圏に移ってから、日本語と英語以外わからない私は子供に話しかけられてもフランス語わからないんだと自ら壁を作ってしまっていました。
そんなことを言われると、もちろん相手の人は逃げてしまいます。
話せないと断言してしまうとよほど伝えたいことがない限り、相手はその場を残念そうに立ち去ったり諦められたりしてしまいます。
本当はわからなくても、もっと話したいし、コミュニケーションを取るきっかけを探したいんです!
拒絶しているわけではないんです!
ただ、喋れないという一言を伝えてしまうだけで、一番語学が伸びるはずの雑談をする機会を自ら潰してしまっていました。
それに気づいてから、
「勉強中だからゆっくり話してもらえない?」
「こういうことを言っているの?」
といって見たり、とにかくわけもわからずオウム返しをするようにしました。
すると、相手は何を言わなくても語学がわからないことは察してくれて、それでも理解しようとしているんだという姿勢が伝わり、簡単な表現で言い換えてくれたりするようになるんです。
ま、結局フランス語だと、全く何をいっているのか全然わからないんですけどね。
それでも勉強中と伝えたりオウム返しで繰り返したりすることで、会話からの言語習得がゼロではなくなるし、コミュニケーションの一歩にも繋がると信じています。
見たことも聞いたこともないものは習得できません。
聞く機会を自ら作ってあげましょう。
事前に必要な単語やフレーズを用意しておこう
初めてカナダに到着した翌日、銀行口座の開設をしに銀行に行きました。
向かっている途中に、
「あれ?口座って英語でなんていうの?」
とキーワードがわからないことに気がつきました。
日本と同じように、銀行に行って開設したいといえば出来るだろうと思っていたものの、肝心の銀行用語や銀行のシステム、口座の開設方法を何も知らないまま Google map を片手にお目当の銀行に向かっていたんです。
さすがにこれでは話が通じないのではと不安になり、とにかく銀行口座の開設と引き出し、振込のやり方だけを聞けるように必要最低限の単語をメモして目的地に到着。
そうすると、開設の予約をしたから翌日に来てと。
そもそもカナダでは銀行のシステムも日本と少し違っていて、開設は個別のブースで行われ、口座維持費を含めたプランの選択をします。
システムの違いを何も知らなかったものの、最低限の単語を知っていたおかげで、口座開設の予約はなんとかできたし、翌日に口座はちゃんと開設できました。
このとき契約内容については半分も理解できなかったのですが。
それから1年後。
友達から同じ銀行の日本語対応資料を見せられて、契約内容を改めて理解します。
あったんやん!
日本語対応の支店・・・。
敢えての英語で挑んだことはリサーチ不足感が否めないものの、回り道のおかげで貴重な経験になったとプラスに考えてます。
目的がはっきりしている場合、想像できる必要な単語は覚えなくてもいいので手元に用意しておくことをおすすめします。
備えあれば憂いなしです。
新しい言葉はその場ですぐ使おう
その場で新しい表現や言葉を聞いた時、その意味や英語を聞いても次の瞬間には忘れてしまうこと、よくありませんか?
新しい言葉を一度聞いただけで覚えられれば苦労はしないんですが、私は何度も繰り返さないと覚えられません。
ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスの研究、エビングハウスの忘却曲線によると、
- 20分後に42%
- 1時間後に56%
- 1日後に74%
- 1週間後に77%
- 1ヶ月後に79%
の割合で忘れてしまうという結果が出ています。
忘れないようにするためには、定期的に繰り返して定着させることが必要です。
実はこれ、みんなわかっているのにやれていないことの方が多いんです。
わたしはスペルを聞いて発音を確認したり、そのまま会話の中にこっそりとまぎれこませてその場で覚えるようにしています。
耳で聞いて、理解して、繰り返し、口に出す。
会話の中で繰り返して使うことで、その単語や表現をすでに応用していることになります。
人は忘れるものなので、
- いかに忘れないように繰り返して記憶に定着させるか
- いかにいつでも引き出しから出せるような状態にするか
がキーポイントになってきます。
アプリや便利なツールを利用しない手はない
どうしても必要な言葉が出てこないとき、誰もが持ってる万能な辞書があるではないですか!
google翻訳でもいいので使ってみましょう。
日本語でも調べ物をするときありますよね?
それと同じ感覚でサクっと調べてしまいましょう。
一言、
「ちょっと待って、これが言いたいの!」
と言って数秒待ってもらうだけのことです。
完璧な英語を調べるのではなく、必要なキーワードのみで十分です。
スーパーで調理用の計りを購入しに行ったとき、どこに置いているのかわからなくて。
単語が出てこないまま2人の男性従業員を捕まえて、料理で重さを測るやつ、とか、電子で小麦粉とか置いて、とか色々言い換えては見たもののどちらにも伝わらず。
携帯でググって単語を伝えても体重計?と言われる始末。
イメージ画像に切り替えてやっと理解してもらえ、売り場に案内してもらえました。
今では調べた単語が履歴として残るアプリもあります。
これでオリジナルの単語帳を作って復習することもできますよね。
英語学習に最適なアプリは有料も無料も含めてたくさんリリースされています。
短時間のものから文章読解まで、便利なアプリが揃っているので、自分のレベルに応じた使えるお気に入りアプリを見つけてみましょう。
とにかく外に出かけよう、新しい人に会おう
家にこもって勉強して、英語がバッチリと思っていても動かなければ使う機会はありません。
英語を話す機会が身近にあるなら、積極的に外に出てローカルと知り合うきっかけを作りましょう。
- 好きなことのコミュニティーに参加してみたり
- お気に入りのカフェで店員さんのお勧めを聞いてみり
- 近所のコンビニでいつも同じものを買ったり
- 決まった時間に決まったルートを歩いて見たり
と、なるべく印象を残すことが大事です。
ただ、好きなことや共通することでないと知り合っても会話も続かないしストレスになります。
あくまで自分の好きな場所、好きなことをするように心がけましょう。
一人でじっくりしてるのが好きなんだって人も、家で本を読むなら図書館やカフェに出かけてみましょう。
類は人を呼ぶというように、自分に合った人が同じような場所に集まる可能性があります。
私は近所のカフェで顔を覚えてもらってローカル割を教えてもらったり、コンビニのオーナーと仲良くなって新しい言葉を教えてもらったり逆に日本語を教えたりしてました。
知り合いになったら是非相手の名前も覚えましょう。
名前を呼んでもらうと親近感がわきますよね。
出かける時には、笑顔を忘れずに。
諦めたらそこで試合終了ですよ
あなた自身の心が閉じているときには、言葉の壁も高くなっています。
まずは、相手を知ろう、自分を知ってもらおうと意識して行動することで、お互いの距離がグッと縮まります。
共通の経験や体験を通して言葉の壁を乗り越えた先には、「知り合い」から心を許しあえる「友達」になれる可能性が広がっていると思いませんか?