カナダのケベック州で、移民が通う語学学校に通って5ヶ月が経ちました。
2017年の11月中旬頃からパートタイムで通い始めていますが、冬休みや長期旅行で不在にしてたりしたので、今のところ実際に学校に足を運んだのは51日+課外授業11日の約3ヶ月です。
何を隠そう移民大国のカナダ。
2018年は31万人の移民を受け入れることを計画しています。
驚くことに、この全ての移民が政府が提供する語学教育サービスを無料で受けられる権利があるんです!
ほとんどの州は英語ですが、ここケベックの公用語はフランス語。
フランス語が全くできない私には、涙が出るほどありがたい話・・・!
この3ヶ月の通学でフランス語検定4級の過去問題がわかるくらいまでにはなんとかなりました。
(とは言っても、実生活ではまだまだ使えるレベルではありません。汗)
カナダ政府の無料公共サービスはどんな様子なのか、実体験を元にご紹介します。
どうやって学校を知ったの?
カナダ移民局のサイトに載っている、最寄りの移民サービスを提供しているところを検索したのが最初です。
その情報を提供している労働局へ行き、語学学校の連絡先を教えてもらいました。
ただ新しい土地で勇気が湧かず、電話1本をするのに1週間かかっています。
ドキドキしながら英語でざっくり聞いて学校に伺うアポを取ったのですが、なんせ第二言語話者同士の会話。
意思疎通できているか不安だったので、夫に電話をかわってフランス語同士でも確認してもらいました。
後から知ったのですが、最初に訪れた労働局では語学学校の連絡先だけでなくて、新移民への地域の地図やケベック州の基本情報提供などもやっていたそうです。
最初に行った時に「新移民が受けられるサービスは何?」って聞いたつもりだったんですけどね。
語学にフォーカスした通訳(by夫)になってたのかもしれません。
移民用の語学学校はどんなシステムなの?
移民用の語学学校でもフルタイム、パートタイムなど種類があって、かつフルタイム通学中は経済援助費として140$(カナダドル)/ 週やパートタイムでも児童手当金の支給も政府から受けれるそうです。(2018年4月現在)
もちろん将来の雇用に繋げるためとはいえ、無料で通える上にお金が貰えるって・・・!
学校によってはレベルチェックテストでクラスわけもあるようですが、私の地域はそもそも小人数のためパートタイムクラスのみ。
もちろんクラス分けもないところで。
面倒な手続きもなく、簡単な説明だけで翌日から授業への参加が決まりました。
パートタイムの授業って具体的にどんな構成になってるの?
無事翌日から月〜木の週4日×3時間のパートタイムで通い出します。
講師の状況によって若干前後する日もありますが、この学校での授業は13:00〜16:00です。
基本的に休みも出席も自由。
休んでも特に何を言われるわけでもありません。(でも出席簿はつけてます。)
火曜はスピーキングメインで、それ以外は州が提供する移民用テキストを行う自習スタイルです。
講師に答え合わせをしてもらったり、わからないところのサポートをもらうので公文のような感じでしょうか。(公文通ったことないんですけどね。)
ただ私の場合、あまりにも初心者レベル過ぎて最初の1ヶ月半程は別の教材を使っていました。
移民用テキストや教材はありますが、とりわけレベル分けもカリキュラムも特にない、自由奔放なスタイルで構成されている授業になっています。
どんな先生が教えているの?
講師は3人、曜日固定です。
- 月、水:30代前半女性、近辺の専門学校のフランス文学講師
- 火、木:50代後半男性、地元整備専門学校の元校長(代表?)
- 元木曜:40代後半女性、学校運営マネジメント
元木曜なのは、今はマネジメントに集中して授業を受け持っていないからです。
この方の授業が一番質が高かったので残念な限りです。
月曜と水曜担当の元校長は典型的なケベックのおじさまで、楽しい会話が大好き。
テキスト勉強には向いてないのですが、話す内容さえわかればケベックの経済や情勢、文化など情報は引き出せるはずなんです。
けどね、フランス語レベル皆無の人間には要約一文の英語説明では理解できないことだらけですよね。
語学指導研修経験はおそらくないかな〜。
良い方なのは間違いないんですけどね。笑
女性のフランス文学講師は語学に長けていて的確な指導はできるんですが、時間配分の平等感のなさで最初苦労しました。
通い始めて慣れもしない間もない頃、一言も話すことなく授業が終わった時には愕然としました。
私も話せば良いんですけど、英語を話さないようにしようと無理してしまったら何も話せなくなってしまっていたんですね。
完全なる自習になってしまって、これでは学校に通う意味はあるのかと。笑
今は状況についても話し合ったので、講師側も考えてくれて的確なサポートが受けれていると思います。
待ちの姿勢は捨てて、こちらで改善できることを探す良い勉強になっていますね。
どんな生徒と授業を受けているの?
4人のクラスメイトと一緒に授業を受けています。
- 30代後半〜40代前半女性:チリ出身者
- 32歳男性:ペルー出身者
- 40代前半女性:コンゴ出身者
- 30代(?)女性:ケニア出身者
私が通い始めたときには皆さんある程度フランス語は話せてます。(おそらく中級以上)
さらにコンゴの公用語はフランス語です。
推測ですが、おそらく自国で教育を受ける機会がなかったんだと思います。
とはいえ、私よりも数十倍高い語学レベルのところに初心者が紛れ込むことに戸惑いはあって。
全然最初会話できなくて不安だらけだったんですが、皆さんの優しさには救われてます。
今でも10%程しか言葉が通じない私にもお菓子くれたりバナナくれたりと、しっかりと餌付けされてます。笑
で、移民が通う無料語学学校はあり?なし?
結論から言うとありだと思いますが、受ける側の改善する姿勢が余計必要かなと。
実際に通ってみて、有料語学学校の質の高さを感じました。
今までの人生で、小学から中学までで5年間、カナダで3年程英語の語学学校に通っていましたが、その時の授業で当たり前すぎて考えたこともないことを既に何度も味わっています。
田舎の移民用語学学校だからかもしれませんが、自由すぎて図書館に行くだけ(会話なし。笑)とか、ローカルドキュメンタリー映画(フランス語)見に行ってお茶して帰るとかもあります。
アクティビティと授業とをうまく混在させながらも学びの場を作るという、当たり前のように受けていたサービスの裏にはしっかりとした指導資格やカリキュラムがあったのかな〜なんて感じています。
一度は授業のスタイルがストレスすぎて通うことを断念しかけたのですが、自分らしい無理しない学び方に切り替えてからは今のところ継続して通えています。
これもせっかくの学びのチャンスですからね。
この秋か冬にはフルタイムにも通って、フランス語の早期習得を目指したいなとも思ってます。
散りも積もれば山になると信じて、学んでいきたいですね!