こんにちは。カナダのケベック州で1歳の息子を現地のデイケアに預けている Yuki です。
海外でも日本と同じように、出産後の子育てが落ち着いてくると仕事復帰を考えて保育所を探し出す人もいるかと思います。
カナダでは州ごとに保育・教育制度が異なるため状況もそれぞれですが、今回はケベック州の保育所の種類や待機事情についてご紹介したいと思います。
ケベック州での保育所 Daycare(デイケア)の種類
カナダで Daycare(デイケア)と呼ぶ施設は日本の保育所のようなところで、ケベック州では Garderie (ガーデリー)と呼ばれます。
ケベック州での無料義務教育は5歳からなので、それまでに保育サービスを受けたい場合は有料のデイケアに通う必要があります。
日本と違い、世帯収入や仕事の有無により託児の権利を制限されるようなことはなく、働いてなくても預けることも可能です。
子供を預けられる施設は、認可外も合わせると4種類に切り分けられます。
- 公立の保育センター(CPE)
- subsidize/non-subsidized 民間デイケア施設
- subsidize/non-subsidized 家庭的保育所
- 認可外保育所
subsidize とは州からの助成金プログラムのことで、対象の施設が加盟しているか否かを示しています。
加盟しているところは助成金で運営費の一部をまかなえるので保護者が負担する費用は安めです。
non-subsidize とはの州からの助成金プログラムに加盟していないところで、private と呼ばれることもあります。
かかる費用は高めですが、保護者の収入によっては補助金を申請することもでき、場合によっては毎月の早期返金制度を利用することもできます。
具体的に、それぞれの特徴についてご紹介します。
(英語名称は ケベック国立公衆衛生研究所 の From Tiny tot to toddler のリスト参照。日本語名は意訳です。)
公立の保育センター(CPE)
Childcare centre で、通常 CPE と呼ばれます。0歳〜5歳を対象とした政府が管轄する保育施設で、他に比べて保育士も多く規模は大きめです。
保育士人数と子供の年齢に応じた割合を考慮した上で、最大80人まで施設で預かることができます。
ただ、保育料の安さや Educational Childcare Act という州の保育の規定を満たしていることから人気は高く、かなりの競争率です。
学生や兄弟がいる場合は待ち時間が短くなるよう優遇されることもあるようですが、妊娠が分かった時点で登録したのに1年半経ってもまだ待機リスト......ということも珍しくありません。
subsidize/non-subsidized 民間デイケア施設
Subsidized/non-subsidized day care centre に分類されるのが、民間により運営される保育施設です。CPE と同じく0歳〜5歳を対象とし、規模は大きく、最大80人まで預かることが可能です。
基本的な条件はCPEと同じなのですが、理事会構成員の保護者の参加割合が異なります。
助成金を受けている Subsidized の施設は NPO法人などが運営していますが、Non-subsidized の施設は 企業や大学機関などが営利目的で運営しています。
また、フランス語が公用語のケベック州ですが、バイリンガル環境や早期教育への取り組みを行なって人気を集めている施設もあるようです。
subsidize/non-subsidized 家庭的保育所
Subsidized/non-subsidized Home childcare provider と言われる保育所で、日本の家庭的保育所と似ています。
特に、モントリオールなどの都市部から離れて郊外で探す場合、CPEかこのタイプの小規模な保育所が主な選択肢になってくると思います。
このタイプの保育所は自宅や家の一部を利用しているため、アットホームでリラックスした環境です。猫や犬などペットを飼っている家庭も多く、子供達はペットと一緒の空間で過ごすことも多くなります。
食事は保育士さんが手作りするところもあれば、給食のケータリングを受けるところもあったりとさまざまです。
人数は保育士1人に対し子供は6人まで、内18ヶ月未満は2人までと決められていて、特に子供が小さい場合は保育士の目が届きやすいというメリットもあります。
ただ、あくまで保育士の自宅環境にお邪魔している感があるので、子供だけでなく保護者との相性も重要になってくると思います。
認可外保育所
Provider of childcare in a private residence that meets certain requirements と呼ばれ、必要要件を満たし登録なしで運営できる保育所のことです。日本の認可外保育所と似ています。
こちらは認可外のため、ケベック州の保育所登録・検索サイトには載っていません。基本的には口コミや地域SNSグループなどで募集をかけています。
家庭的保育所と同じく、保育士1人に対し子供は6人まで、内18ヶ月未満は2人まで。その他の条件も契約書次第ですが家庭的保育所とほぼ同じです。
認可外なので特別な要求があれば相談次第で応じてもらうことも可能でしょうが、自己責任の範疇になってくるので見極めが大切になります。
かかる費用と政府からの補助金
費用は選ぶ施設によって異なりますが、大きく分けて2種類あります。
- Subsidized 8.5ドル〜/日(2021年1月より定額料金改訂)
- Non-subsidized 35ドル〜60ドル/日
一定の条件を満たせば、Non-subsidizedの保育施設や認可外保育所では補助金を申請することもでき、場合によっては毎月の早期返金制度を利用することもできます。
これ以外にも、各保育園で申請書類をもらい政府にtax returnを申請できます。世帯収入により控除率は幅があります。
保育所の探し方と待機リストへの登録
ケベック州で保育所を探したい場合は、州の保育所登録・検索サイト La Place 0-5 の待機リストへの登録が必要です。
子供の年齢や住所などを入力し、自宅や通勤場所などからの距離、保育環境などで条件を絞って保育所を検索することができます。そこから希望する施設を選択・登録し、連絡が来るまで待機となります。
待機時間が長くなると自分たちが待機リストのどのあたりにいるのか気になるところですが、サイト上で確認することもできず基本的には連絡待ちです。
また、このサイトに掲載されている施設の情報は基本情報のみで、待機者からの頻繁な連絡を避けるためホームページや連絡先すら掲載していないケースもあります。
待機登録する施設の様子も気になるところですが、空きの連絡が来てから保育所を見学できるはずなので、競争率が激しい地域では遠慮なく登録しておきましょう。
これ以外にも、地域のFBグループや掲示板などからデイケアの空き情報が見つかることもあります。口コミ情報はかなり重要なので、知り合いや職場の人、大家さんなどに探しているとアピールしておくといいと思います。
ケベック州は思ったより保育難民が多かった
ケベック州では他の州や日本と違い、待機児童問題は少なくすぐに保育所が見つかるだろうと思っていたのですが、蓋を開けてみれば保育施設の空き状況は想像と違っていて思った以上に苦労しました。
▼わが家のケベック州での保育所探しの話はこちらの記事をご覧ください。
特に18ヶ月未満の幼児は空きが出るとすぐに埋まってしまいます。友人の中には短期限定で空きがでた保育所を転々としていたと言う人もいました。
18ヶ月を過ぎると対象の施設も増えて長期預かりの空きも見つかりやすくなるので、1歳半までは短期や時間制のガーデリーでしのぐというのも選択肢のひとつとして検討してみてください。
まとめ
慣れない海外での保育所探しは日本との違いに戸惑うことも多いかもしれませんが、自分の子供を安全で居心地の良い環境に預けたい思いはどの保護者も同じです。
住む地域での保育・教育制度や気になる点はケベック州の行政のホームページなどでしっかりと確認をして、それぞれのご家庭に合った信頼できる保育所を見つけてみてください。
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