カナダの冬といえば、とにかく氷のような凍てつく寒さ!
とイメージする人も多いと思います。
この冬だと、2017年の12月末。
トロントのトロントピアソン国際空港では57年ぶりに氷点下を更新する、マイナス22度を記録しました。
これだけでも極寒なのに、体感温度はマイナス30度を下回っていました。
この記録的更新のニュースは、私が住んでいるケベック北部よりも南のモントリオールやトロントの方が気温が低かったこともあり、地元の話題は天気で持ちきりでした。
そんな寒さを代表するカナダ東部。
実際に住んでみて、寒さが苦手でヒーターの側が友達な私でもなんとか冬を乗り越えつつあるので、私なりのカナダの極寒で生き残る13の方法を綴ってみました。
温室四国育ちがケベックの冬を越す
天気予報は気温もだけど、体感温度を見よ!
それでも、外に出てみると、天気予報を確認したのに思ったよりも寒い!と感じることがありますよね。
天気予報を確認するときには、体感温度の条件も見てみてください。
風速1メートルで体感温度が約1度下がり、氷点下では多湿の方が体感温度が下がりやすくなります。
ケベック中心部では、体感でマイナス38度近くになる恐れがあると Extreme cold warning と言われる警報が発生し、学校はもちろん、近くのスキー場もリフトの運行を取りやめる程外出を控えます。
そして Winter storm warning という警報でも、雪により運転や移動による危険を避けるために学校は休みになります。
私が通う政府が運営する語学学校は、この冬、これらの警報が理由で2回休みになっています。
気温と体感温度の違いを知っていれば、その一日快適に過ごす服装の用意と心構えができますね。
天気に応じたスケジュールに臨機応変に対応することは日常茶飯事です。
冬の始まりには快適な家づくりを
私は今ケベック州北部で、もともと夫と夫の両親が一緒に暮らしていたところを引き継ぎ、
- 地下1階 + 地上2階建て
- リビング2部屋、キッチン1部屋、寝室3部屋
の物件に住んでいます。
地下は使ってないので省きましたが、間取り図は大体こんな感じ。
2人で暮らすには贅沢で広すぎるくらいですが、この家をベースに我が家の冬対策をお話しします。
各部屋の温度設定の見直しで、節約かつ快適に
カナダでは適切な室温を保つことは一つの大切なライフラインです。
そのため電気代は日本より安く、家の中は長袖で過ごせるほど快適な温度に設定しているところが多いです。
ケベックで初めて過ごす冬、寒がりの私は温度設定を高めに設定して個別に温熱ヒーターもガンガン使っていたのですが、12月に光熱費400カナダドル(日本円で約3.5万円)を超える請求が来た時にはさすがにショックでした。
この大きさの家だとこの時期は平均値らしいのですが、夫が学生で2人暮らしの家計へは大打撃ですので、部屋ごとに少し設定温度を見直しました。
- 入り口に近いキッチン・廊下は21.5度
- 1階トイレは15度
- リビングは22度
- 2階の寝室は21度(図下の寝室は来客用で19度)
- 2階風呂場は10度
と今は設定されています。
2階は1階の暖かい熱が上がっていくので低めに設定してるのですが、かなり快適です。
1階リビングは正直、私には少し寒くてほんとは上げたいんですが、費用対効果を考えると温度を上げるほどではないかなぁと。
今はひざ掛けで乗り越え、来客の時だけヒーターつけるようにしています。(ほとんどの来客はヒーターを必要としないんですけどね。)
徹底的に外気を遮断!
二重窓になっているのは当たり前ですし、場所によっては二重窓の窓が二重。
加えて玄関に入る前もポーチがあるので、二重。
とにかく外気の遮断が何より重要です。
もちろん窓に保護シートも貼ります。
私たちは11月下旬に全ての窓に対策をしました。
さらには使っていない地下も貼って、冷気が上がってこないように遮断しています。
ルームシューズで足元は暖かく
ケベック北部では手作りの手編みのルームシューズが人気です。
移民の語学学校の先生も使用しているのには驚きました。どうやらケベックでは定番のようです。
毛糸で編んで、汚れたら洗濯機へ投入!
乾燥機にはかけずに自然乾燥させるので、夫の両親は彼らの母が使ったのをまだ持ってたりするほど丈夫で長持ちなんです。
最強装備で完全武装した上での外出を!
ここケベック州では外には気軽には出れません。
外出するとなると、インナーダウンを羽織り、靴下をもう一枚はき、ダウンを羽織って、手袋をつけてと、準備に時間がかかります。
出かけるよと言ってから5分は準備にかかります。
さすがにマイナス20度以下の地域では命の危険に関わりますので、外に出るにはそれなりの用意が必要です。
お洒落よりも防寒が第一の、実用的な服装が好まれます。
高い防寒性を備えたコート
洋服としてのコートもですが、スキージャケットをコートとして着る人も多いです。
ジャケット選びのポイントとしては、
- 水を弾く素材やウォータープルーフで雪の浸透を防ぐ
- 羽毛やファー素材で暖かさをキープ
- 短い丈より長めの丈でカバー域を広く
- ファスナーで外気を遮断
- 手首や首元を、なんなら鼻までしっかり覆う
- フードを被って顔周りを暖かく
この辺りが問題なくカバーできるものがオススメです。
丈の短いダウンやお洒落なムートンコートなんかは、可愛いだけでここでは実用性はゼロです。
フルグリップと靴
本格的な寒さが始まった12月初旬にはまだ道路に雪がなくて、道だけが氷のようにツルツルと滑って歩くのも一苦労だった日がありました。
そんなこともあって、とにかくグリップ力が強いながらも、おしゃれな靴が欲しくて。
すでに 長めのソレル(sorel) を持っていますが、それ以外で探していました。(意外にもソレルは氷だと滑るんです。)
- 氷の上でもグリップ力がある靴
- 冬用として作られて暖かさを保てるウィンターブーツ
- 雪道を歩けるウォータープルーフ
- 短い足を長く見せたい隠れヒール
- お洒落なショートブーツ
これを条件にネットや店舗で探すものの、希望価格とマッチしなかったりでなかなか見つかりませんでした。
最終的に見つけたのは、ケベックシティで見つけたセール品Merrell Eventyr Ridge。
特価だったので型落ちかもしれませんが、全てを網羅できてて一目惚れですね!
今はソレル以上に愛用しています。
冬用小物も忘れずに!
手袋は運転中でもしたままだったり、ニット帽は深くかぶれるもの、そしてまさかのカナダで定番のエスキモー帽をお洒落ではなく防寒のために被る日が来るなんて思ってもいませんでした・・・。
さすがにウィスラーでもエスキモー帽は浮いてたのに、夫の父は普通に被って車で3分の仕事場へ向かっていました。
ここケベックに来て、いろんな冬小物の本気を目撃しています。
リモートスターター付きの車は必須!
日本と同様、リモートスターターがあるとなしでは大違い!
寒すぎて車のフロントガラスの霜はとても厚いので、デフロスターが効くように事前にエンジンを温めておくことが必要です。
今だけ車が2台なのですが、前の車はリモートスターターなかったんです。
出かける前に一度外に行きエンジンをかけるか、車に乗り込んでから霜を削り落として出発をしていました。
しかしリモートスターターになってから一つ楽チンになり、おまけに乗り込んでからの車内も暖かくて。
毎回、嬉しさを噛み締めながら家の中からポチッとエンジンをかけてます。
冬ならではの運動で体を温めよう
ケベックでは本当に様々なウィンタースポーツが人気です。
ここでは私がやることと見かけるものを3つ上げます。
冬の定番スポーツ、スキー・スノーボード
近所のスキー場ではスキーとスノーボードの割合は 7:3 といったところでしょうか。
ジュニアスキークラブもあり、週末にはレッスンや大会で親御さんも多く訪れます。
ゲレンデはもちろん、住宅街近くのトレイルでもクロスカントリーに夢中なご夫婦やおばさまたちのスノーシュー散策をよく見かけます。
近くのトレイルはもちろん無料ですのでお財布にも優しい。
最近、おそらく普段はあまり行かないと思われる2人のおばさまが、手慣れない姿でスノーシューを装着し合ってる可愛らしい姿を見かけました。
私も場所は違いますが、友達から全2時間歩行のスノーシューウォーキングに誘われていて、近々行く予定です。
果たして体力が持つのか不安でしかないですが。
専用道路が整備されているスノーモービル
近くのスキー場にはスノーモービルで通う若者もいますが、だいたいがおじさま達の遊び道具。
モービル用のトレイルがそこらじゅうにあり、専用トレイルは全長で36000km程になるのですから驚きです。
スキー場横にモービル用の丘もあり、こんなにものモービルがいつも止まっています。
トラックに積んで運ぶだけでなく、運転して移動するなんて、もはや車の代わりの立派な交通手段です。
子供と一緒に楽しめるスノーチューブ
スキー場のナイターの時間帯に、小学校の行事で団体で遊びにくる姿も週に1度程見かけています。
20時頃でマイナス20度以下の極寒です。
そろそろお家で寝る準備じゃないの?
とも思いましたが、
キャーキャーと楽しそうな子供の声を聞くと、寒さを楽しめる心を思い出させてくれます。
風邪は自力でぶっ飛ばせ
診察してもらうのが大変だから風邪を引けない、でしょうか。
ケベックは医療費が無料というメリットもある反面、待ち時間が異常に長いというデメリットがあります。
ファミリードクターがいない人が病院に行くと、3時間待ちは当たり前です。
先日夫が19時頃背中痛で病院に行ったところ、6時間待ちが想定されるので名前だけ書いて出てきたと言っていました。
結局その日は行かず、別日の朝7時半に出直したのですが、診察してもらえたのは15時半。
緊急度によって優先順位が前後するのですが、かわいそうなことに約8時間の待ちだったそうで・・・。
これが風邪で熱がある時だったらと思うと、病院へ行くべきなのか自宅療養すべきか悩みどころですね。
診断結果は 背中の捻挫、つまりはギックリ背中みたいなもの(20代後半なのに!)で現在療養中です。
知らないうちに体が慣れてくる
シーズン最初の12月頃はスノーボードをするのにブーツがキンキンになるほど冷たくなり、自分の足も冷え切って3本で諦めていました。
しばらくは辛かったのですが、しばらく経つと体が慣れてきたのかマイナス20度くらいになっても5本以上滑れるようになりました。
環境に慣れていくとはこういうことなんですね。
まとめ
これだけ書いている私ですが、実はカナダの東側については住むまで知識がなく、こんなに寒いなんて知りませんでした。
住む前にカナダは寒い土地という思い込みがなかったのも幸いだったと思います。
寒い土地だからこそ、暖かくする設備や知識、遊びは豊富にあります。
自分にあった過ごし方を探すのが一番ですね。