自然と街が共存しているのがこのカナダの魅力ですが、カナダに来たら是非ウィンタースポーツを体験してください。
都会から少し離れるだけで、真っ白な雪に覆われた壮大な景色と新鮮な山の空気を味わえるなんて・・・
なんとも贅沢!
多くのオリンピック選手を生み出しているここカナダでは、スキーやスノーボードを11月頃から5月頃まで、半年以上も楽しむことができます。
平昌オリンピック、スロープスタイル男子決勝では、アメリカのRedmond Gerard選手が金メダルを手にし、カナダケベック州出身のMax Parrot選手が銀、Mark McMorris選手が銅とカナダ勢の活躍も目立ちました。
カナダ西部のウィスラーには毎年多くのオリンピック選手が練習に来ていますが、一流アスリートが練習している環境を手軽に体験できるのは嬉しい限りですよね。
わたしが2015年に働いていた飲食店でMax Parrot選手のテーブル担当になったことがありますが、彼がキャブクワッドアンダーフリップ1620をメイクした日も来店していたのを覚えています。
同じ空間にすごい人がいるもんだなぁと驚いたものです。
今わたしは西部の大きなゲレンデを離れ、ケベック州の家から20分先の小さな雪山に通っています。
ここケベック州ではカナダ西側とは異なる団体がスキー規約をまとめているので、今回は ケベックでスキー・スノーボードをする時に知るべき8つのこと を紹介します。
(引用元:The Quebec Ski Area Association (ASSQ))
1. 絶対ルール:しっかりとコントロールを!
基本中の基本です。
常にスピードをしっかりと制御して、行きたい方向へ行けるようにしましょう。
傾斜があるコースではうっかりすると暴走して衝突事故にも繋がる可能性は高いですし、かといって迂回ルートは幅も狭く人や障害物も多く混雑しやすい状況になります。
まずは、下に人がいたら避けたり停止したりできるような間隔とスピードで滑走しましょう。
2. 追い抜くときには声をかけて!
スノーボードでは、自分の後ろ側は死角になっていて、ターンしている時に後ろから来ている人とぶつかってしまったなんてこともよく聞きます。
チラチラと後ろを見ながら滑走するなんてことはできないので、優先されるのは下の人、注意するのは後ろの人になります。
滑走スピードが違って追い越す場合、追い抜く時に声をかけて存在を示してあげましょう。
スキーヤーだとスキーポールで音を鳴らして知らせられますね。
迂回路だと壁で遊びながら滑走する人もいて、思いも寄らないところで前の人との距離が近づき事故の危険性も高まってしまいます。
音で存在を知らせて、お互いの安全を確保するようにしましょう。
3. コースは開けておきましょう!
コース上で止まる時は必ず上から見える位置に止まりましょう。
見えづらい場所や死角で休んでいると、突然上から出て来た人を避けようにもお互い避ける余裕がありません。
コース内の少し高さがあって盛り上がったところから進んだ傾斜があるところや、ツリーランの崖下も危険です。
広く周りが見渡せるところで止まるようにしましょう。
また、大人数での滑走の場合は縦に並ぶようにしてコースを開けておきましょう。
コースを遮って滑走者の障害にならないようにすることが大事です。
4. 合流地点では上の人を確認しよう!
コースに出る時や合流地点では、上から滑ってくる人がいないか確認しましょう。
わかりやすくいうと、車の運転と同じようにメインコースが優先されます。迂回路はサブコースです。
お互いが同じようなコースの場合は、声を掛けたり身ぶりで相手に自分の意思を伝えたりするなど、合図を出して合流しましょう。
スムーズに流れる為にも、周囲の状況を把握して譲り合う精神を持ちましょう。
5. スキーパトロールに協力を!
スキー区域で事故に巻き込まれたり目撃したりした場合、その状況を的確に近くのスタッフやパトロールに伝えてください。
ウィスラーで通っていた語学学校の先生はスキーパトロールの勤務経験があり、スキー場に出るときにまず言われたことは、
- 自分と友達の身の安全の為にも携帯電話を持つ
- パトロール緊急連絡先を登録する
ということで、番号の登録まで必要だなんて大げさではないかな?と思ったことを覚えています。
ですが、実際に滑っていて友達が転倒して動けなくなる事故があり、この時に迷うことなくスキーパトロールの連絡先に電話することができたので非常に役に立ちました。
コースの名前を覚えていなかったのですが、近寄って様子を心配してくれた人が教えてくれて正確な位置を伝えられて助かりました。
大きなゲレンデになると、救助にも時間がかかる可能性もあります。
正確な位置や状況を伝えることがいち早く応急手当できることにも繋がりますので、事故を見かけた際には情報を迅速に提供して下さい。
6. 流れを制御できない道具は使わない!
しっかりと安全が確保できる道具を使いましょう。
スノーボードや最近流行りのスノースケートの場合、板が流れないようにリーシュコードは付いているか滑走前に確認し、制御不能になるような事故が起きないようにしましょう。
板がコース内に流れてしまうと止めようもなく、下にいる人に当たると大事故にも繋がりかねません。
風が強い日のランチ休憩中、かけていた板が倒れ、ランチ中の人の板が流されそうになるのを気づいた人が走って止めている・・・。
という光景も見かけたことがあります。
滑っているときだけでなく、板から離れる時にも、板置き場にしっかりと立てかけるかバインディングを下にするようにひっくり返して置くなどとするといいですね。
7. No Drugs, No Alcohol!
薬や飲酒の影響が心配される場合はリフトやゴンドラを利用せずに休みましょう。
もちろん、体調の不具合がある場合も避けましょう。
わたしは二日酔いで山に上がったものの、滑ることなくゴンドラで下山するということを何度か経験してしまっています。
頭は痛いしフラフラするし辛かったですね。
このまま滑ると衝突事故に繋がりかねないと思い、レストハウスでひたすらお水を飲んで休んでいました。
体あってのスノーボードですので、事故や体調悪化に繋がるようなことは避けましょう。
8. 標識や表示をよく見て!
危険と表示されている標識や立ち入り禁止となっているのには理由があります。
しっかりと進入区域の標識をしっかりと確認して、閉鎖しているコースには立ち入らないようにしましょう。
近所のスキー場で、大雪のため営業中に一時コースクローズをして圧雪をかけていることがありました。
そこを通って別のコースにアクセスしたかったので、圧雪車がかなり上部にいることを確認してから圧雪車がいるコースに戻ったのですが、下にいたパトロールにしっかりと注意されました。
従業員の方は安全を確認した上でオープンしています。
自分で勝手に判断してしまったことを反省です。
また、カナダではバックカントリーのビーコンなど装備が確認できれば上がれるコース外滑走区域もあります。
そこには、ビーコン装備のチェックについて標識にしっかり書かれていますので、そういうところも確認したいですね。
おまけ:最初は恐怖でしかなかったT-bar
リフトに慣れていない場合は、近くにいるスタッフにどのように乗ればいいか聞きましょう。
日本だと慣れない人のために板を持って乗れるリフトもありますが、カナダでは板を装着しないと乗せてくれないリフトがほとんどではないでしょうか。
また、コースによってはTバーでしかアクセスできないところもあり、乗り方もわからないTバーで戸惑ってしまいますよね。
わたしの初めてのTバーはアメリカででしたが、子供がすいすいと登っていく横で何度も転けた経験ががあります。
どこも、バーを渡してくれる従業員がいますので乗り方を聞いたり前の人の乗り方を確認して乗り方と降り方を学んで下さい。
そんなに難しいものではないので、リラックスして流れに身をまかせる技術が習得できればT-barを楽めます。
仮にバーから落ちてしまったら、後ろの人の邪魔にならないようにすぐに脇によけて下さいね。
まとめ
カナダではヘルメットの驚異的な着用率の高さやリフトで相席の時の声かけ、バックカントリーへの理解などから、このようなマナーを身につけている人は多い気がします。
わたしはカナダのゲレンデを滑っていて、譲り合いと思いやりの心を持つことで、安全第一で無理せずに楽しい時間を過ごすことを学びました。
冬のケベックに訪れた際には、街から少し足を伸ばしてウィンタースポーツしてみるのも貴重な体験になるのではないでしょうか。
ルールとマナーを守って、カナダのゲレンデを存分に楽しんでください。