海外旅行に行った人から、慣れない環境や気候が体に合わなくて体調を崩してしまったとか、派手なアクティビティでうっかり怪我をしてしまったということを聞いたことはありませんか?
旅先でもし病院に行かなければならなくなったとき、
- 知らない土地でのどこの病院行ったらいいのか
- 現地での病院の利用方法はどうなってるのか
- どんなタイプの保険を使ったのか
- 支払いや費用はいくらかかったのか
- 診断を受けたあとは
と不安になることが多いですよね。
私も海外生活の中で何度か怪我や体調を崩して病院にお世話になったことがあります。
実際に私が経験した海外滞在・旅行中の怪我や病気になったときの流れを詳しく紹介しますので、いざという時のシュミレーションや海外旅行保険を決める参考にしてみてください。
病院に行きたい!で、どこに行くの?
一刻も争うときはもちろん救急車を使うと思いますが、次第に体調が悪くなってきてから病院に行こうかな?ということもあると思います。
まずは行く病院を決めましょう!
ホテルの人に最寄りの病院を聞くのもいいですし、オススメは加入している海外保険会社に電話をして最寄りの保険適用病院を確認することです。
クレジットカード付帯の保険を利用する場合も最初の段階で電話しておいた方が無難です。
キャッシュレス対応の有無や日本人医師がいる病院の紹介、場合によっては医療通訳の有無についても対応してくれることもあります。
診断をしないと正式にはわからないかもしれませんが、保険適用の範囲や手順をざっくり確認しておくことで、病院に着いた後の対応も想定できるのは安心ですよね。
海外の病院での診察はどうなってるの?
日本より長い患者さんの待ち時間
これは日本と同じように怪我や病気の具合、国や州、病院の規模や状況によってさまざまです。
カナダ西部のスキー場で骨折し、自力でパトロール室に行きパトロールと一緒に連れられて病院に行ったときは待ち時間ゼロ。
かと思えば、同じ国でも東部では高熱による体調不良で保険会社に伝えられた病院に行ったときには3時間以上待ったこともあります。
気をつけるべきは医療費無料の地域。
医師不足や来院する患者が多いので比較的混雑している状況になりやすく、長時間待たされることも少なくありません。
医療費が無料のカナダ東部で、夫がギックリ背中で病院に診察に行ったときに冬の風邪患者が多い時期とはいえ、なんと10時間以上も待たされてました・・・!
もちろんやみくもに待たされるわけではなくて、受付や事前診療で来院者の状態を確認して緊急度別に診断をしています。
が、さすがに長すぎ・・・。
痛みや出血が多い場合は我慢せずに必ずアピールをするようにしましょう!
医療通訳を介した場合
医療通訳を使う場合と使わない場合の両方を経験しています。
緊急時でも地元の医療通訳を介しての診断の場合、事前に訪問を電話連絡してくれる会社だと優先してみてくれることもあります。
双方が手続きに慣れているので全てがスムーズ。
通い慣れた通訳者の場合だと病院の勤務者全員が相手を認識してるので、慣れた様子で手際よく状況を説明していたのが印象的でした。
ただ、通訳者にとっても怪我や病気の具合によっては新しい用語が出てくることもあります。
理解できるまでしっかりと聞いて自分の状況を人任せにせずに知るようにすることは大事だと思います。
自分で全て手配をした場合
受付から状況を説明し、どこで待てばいいのかどれくらいかかるのかしっかり確認する必要があります。
用紙一つ記入するにも不足がないか確認が必要なので多少多めに時間はかかります。
作業はもちろんお互いの共通語で、ほとんどの人が英語になると思います。
私は初めて病院に訪れたとき、ある程度英語は問題ないと思っていたのですが医療になると話は別
- 痛みの表現
- 骨や体の部位
- 症状の名前
に思ったより戸惑いました。
左肩を怪我した時にfracturedと言われて、brokenかというとそれとは違うと言われて違いがわからなかったのを覚えています。
実際に英英辞典を見てみても・・・同じ意味なんです。
fracture
If something hard, such as a bone, fractures, or is fractured, it breaks or cracks:
break
If you break a part of your body, you damage a bone which cracks or separates into pieces:
(Cambridge Dictionary より引用)
どうやら剥離骨折だったのですが、医療用語ではfractureが使われるようでした。
日本語で医療用語を言われても聞き慣れていないとわからないのに、それが英語になるとなおさらです。
私はメモに症状を書いてもらってあとで調べていました。発音だけで判断せず、残しておくと詳しく調べられます。
どんなタイプの保険に入っていた?
日本から長期海外保険に入ったタイプ
ワーキングホリデーで海外に渡航した最初の年から3年間はAIUの海外保険を利用していました。
比較的割高ですが、盗難や物が壊れたときの物品保証も欲しかったので、手厚い保障がある日本の海外保険を利用していました。
(結局毎年怪我や病気でしか使わなかったんですけどね)
そのとき延長は期限が切れる前しかできなかったので、長期で海外に滞在する人は契約更新方法についてもよく確認しておいた方がいいです!
クレジットカード自動付帯タイプ
海外保険自動付帯タイプに当たるエポスカードを使っています。
移住申請中でまだ現地の保険適用外のときに扁桃炎で高熱が下がらず、海外保険を使うか検討しました。
それまで日本国内に住んでいる人でないとダメだという勝手な思い込みがあって、焦って現地での旅行者保険に入ったのですが申請してから3日間は適応外。
病院に行けなくて熱と格闘した壮絶な2日目にふと気づいて確認してみたら、日本を出て3ヶ月以内なら保険の対象にしてくれると優しい女性に言われて・・・。
弱ってた私は天使が舞い降りたのかと思いました。泣
結果的には使用しなかったのですが、近くの病院の確認やキャッシュレス対応についての確認、そして保険手続き申請に関しても詳しく教えてくれてとても助かったのを覚えています。
これを知ってたら無駄に現地の保険に入らずに節約になったんですけどね。いい勉強代になりました。
現地国の海外旅行保険タイプ
ということで扁桃炎をカバーするべく入ったのが、ブルークロスというカナダ現地の保険。
州の健康保険が降りるまでを大体カバーできる2ヶ月半程加入しました。最低限のプランで1万5千円程でした。
申し込み時も体調がすこぶる悪すぎてすべて選んでくれたのは夫でしたが、評判もそれなりに悪くなかったのではないかなと思ってます。
ただ、病院費用は直接やりとりして私への請求はなかったはずが、病院から未納通知が届く手違いはありました。
わけがわからず電話してたずねてみると、保険適用は4日目からですので1日オーバーです、と言われてしまい・・・。
これは自信を持ってそんなわけないと否定。
そのときすぐにでも病院に行きたかったので、夫が第一言語のフランス語で何日の何曜から病院に行っていいですかと曜日も確認してました。
電話履歴から時間や内容も詳しく明記して担当先にメールを送った結果、主張が認められて特に何もすることはなく無事に終わったんですが。
一瞬あせっちゃいましたね。
どんな支払い方法?費用はどれぐらいかかった?
クレジットカード建て替え
友達が骨折したとき、クレジットカードの上限で支払えず建て替えたことがあります。
鎖骨骨折だったんですが、レントゲンと診察で大体20万円程だったかな?
レントゲンだけで10万ぐらいしますからね。
その友達はラッキーなことに手術なしで自然治癒方式だったので、帰国することもなくそのままカナダで完治させていました。
怪我や病気は急な出費ですが、そんな時のためにもクレジットカードの枠は余裕を持っておくようにしておくといいですね。
キャッシュレスシステム
私が初めての骨折で診察したところは日本の保険会社と直接キャッシュレス対応をしてなくてクレジットカードで初回分15万円程を支払っています。
ただ、その後度重なるレントゲンや診察で毎回10万円以上の請求になることがわかると、2回目には病院側から日本の保険会社とのキャッシュレスできないか聞いておくね、と言ってくれました!
この怪我では最終的に50万近くかかったので、これはありがたかったです!
現地の保険会社を利用したとき、ほかの病院では診察前に現地保険会社のカバー対象か直接連絡を取った上で診察となって、キャッシュレスになったケースもあります。
(これが保険会社の手違いで自宅に請求書が送られてきたケースですけどね)
いずれも印象としては、病院側も外国人に対する踏み倒しを避けるために保険会社と直接やりとりしたいのかな〜なんて想像を巡らしてます。
医療通訳手配会社による建て替え
医療通訳の手配会社によっては保険会社への請求も代理で行ってくれるところもあります。
個人的に利用したことがあるのは対日本人サービスの現地会社で日本の保険会社の場合ですが、伝えたのは保険の番号や日本の住所などだけで、保険会社への請求や病院への支払い手続きなど何から何まで全部やってくれました。
ほんとうに全部です。
ある程度英語ができるようになってからは通訳はなくてもいいかなと思っていたんですが、この至れり尽くせりのサービスにはだいぶ楽をさせてもらいました。
追加:救急車は使うとどれくらい?
実際に私は使ったことはないんですが、カナダ西部で友達が自転車事故で救急車に乗って運ばれたことがありました。
救急車に乗りたくないって言ったらしいのですが、それも聞かず乗せられて。
事故から1〜1ヶ月半後ぐらい経って後日請求書が届いたとき、たった4〜5kmの距離でも約5万円請求されていました。
命には代えがたいですからね。
初診後の治療は?経過観察は?
次の診察までの頻度と予約方法
風邪などの場合は、日本と同じように処方箋をもらって1週間経っても調子が悪かったらまたおいで、というような1回きりの診察がほとんどです。
骨折では2〜3週間に1回程度通院してました。
毎回、診察が終わり帰る前に受付で次回の予約をして帰ります。
気をつけるべきなのは予約日時を忘れないようにすること。
カナダ西部で通院したクリニックでは、予約から15分遅延で30カナダドル、30分遅延で50カナダドルの追加請求がされました。
もちろんこれは保険対象外!
加えて予約のときに担当の先生の名前が必要になります。
日本では先生が誰かあまり意識したことがなかったのでビックリしましたが、そういうところがなんか外国っぽいな〜なんて感じてます。
しっかりと予定と先生の名前を把握してから予約するのがベストです。
フィジオセラピー施設の利用
怪我の状態が回復してくると、ドクターの処方箋があれば保険の対象内で、フィジオセラピーやマッサージを治療の一環として受けることもできます。
フィジオセラピーとは基本的動作能力の回復を促すために体操やマッサージ、電気療法や針治療などを行う物理的手段を加える理学療法です。
私はここで取り外し可能な親指用ギブスを作ってもらったり、治療運動や針治療をしてもらいました。
ちなみに予約混雑の関係でいつもと違う先生に針を受けたとき、違和感を感じたことがありました。
マッサージと一緒で先生との相性で治療が合う合わないもあるかもしれません。
あくまで治療目的なので、合わないようであれば素直に治療方法について相談してみるのが回復への近道です。
診察を受けてみて安心できる診断だったか?
一言で言えば、個人的には安心して診察を受けれました。
とはいっても、最初の骨折は治りがあまりにも遅くて日本に帰国した時に国内の病院で再診してもらいました。
海外での医師を信用していないわけではないのですが、特に通訳を介さずに診断を行なった場合、相手の伝えたかったことを誤解している可能性もあります。
過ぎたことでも、不安があったので診てもらいました。
逆にそれで同じことを言われたから、信頼できると判断できたんだと思っています。
夫もドミニカ共和国でひどい下痢で入院した後、帰国して国内の病院で再診をしてもらったこともあります。
旅行から帰ってきたら、自国の言葉がわかるところで診てもらうと安心できますよね。
まとめ
日本の国民保険に加入していれば、額面や対象に制限はあるものの、旅行から帰国後の申請で支払った医療費の一部が支給される「海外療養費支給制度」もあります。
海外での支払い方法や病院での流れを知っておくと、海外旅行保険を決めるポイントにもつながりますよね。
備えあれば憂いなし!
この記事が楽しい海外旅行が最高の思い出になるように準備のヒントとなれたら嬉しいです。